多くの人々の心に刻まれる名車ホンダ・シビックが復活。新時代を築くことはできるのか?

多くの人々の心に刻まれる名車ホンダ・シビックが復活。新時代を築くことはできるのか?
     
   

1972年に発売が開始され、長年にわたってホンダを支え続けてきた珠玉の名車シビック。かつては同社の大ヒットブランドとして世間にもてはやされたシビックですが、販売台数の不振により2010年12月に日本国内向けの生産を終了。初代から38年の歴史に一旦幕を閉じることとなってしまいます。しかし、そんなホンダ・シビックが、今年の夏、6年ぶりに新型となって日本国内に戻ってきます。いったい新型シビックはどのようなクルマとなるのでしょうか。これまでのシビックの歴史を振り返るとともに、最新情報を見てみることにしましょう。

初代 1972年~1979年 衝撃の世界デビュー

photo by 本田技研工業株式会社

1972年発売の初代ホンダ・シビックは、アメリカの大気汚染規制法「マスキー法」を世界で最初にクリアしたCVCCエンジンを搭載したことで大きな話題を呼びました。また、飾らない作りで、経済的かつ合理的な2BOXスタイルを採用。FF機構やATのホンダマチックなど、時代の最先端を行く技術が若者を中心に人気となり、大ヒット車種に。四輪車メーカーとしてのホンダの基盤を作り上げました。

2代目 1979年~1983年 ラインナップを拡大

photo by 本田技研工業株式会社

初代の大ヒットを受けて登場した2代目は、台形のフォルムはそのままに主要マーケットの北米市場に合わせボディサイズを大型化、ボディタイプにはハッチバックに加えてセダンとステーションワゴンの「シビックカントリー」ものちに加わりました。エンジンは1.2Lに変えて1.3Lを採用、また、速度計と回転計を同軸に統合した「集中ターゲットメーター」 が特徴となっています。

3代目 1983年~1987年 ワンダーシビック登場

photo by 本田技研工業株式会社

デザインが劇的に変わったのがこの通称「ワンダーシビック」。それまでの台形フォルムからマン・マキシマム・メカ・ミニマム」の設計哲学のもと、全体が低くボンネットも極端にせばめられた独特のものになり、ハッチバックとセダンに加えて5ドアの「シャトル」が登場しました。また、姉妹車として「バラード」シリーズも発売されています。

4代目 1987年~1991年 コンチェルトそしてCR‐Xも

photo by 本田技研工業株式会社

お馴染みになった通称名は「グランドシビック」 。なぜか魚のヒラメをモチーフにしたというデザインは先代よりは大人し目で、ハッチバックとセダンそしてシャトルというラインナップは変更はありませんでした。また、セダンの派生車種「コンチェルト」も発売されました。シビックと同時にスポーツモデル「CR‐X」も発表され話題を集めました。

5代目 1991年~1996年 志は高くワールド・ベーシックカー

photo by 本田技研工業株式会社

通称名「スポーツシビック」 。スポーツイメージを強調したモデルですが、なぜかブラジルのサンバ?をイメージしてデザインされたといわれています。ハッチバックは一部分のみ開くリヤゲートを採用しています。またセダンは「フェリオ」というサブネームが与えられています。エンジンは1.3L、1.5L1.6Lの3種類。ホンダUSA生産の「シビッククーペ」が日本にも逆輸入され販売されました。

6代目 1995年~2000年 クラスを超える高価値を付加

photo by 本田技研工業株式会社

20世紀最後のシビックは「ミラクルシビック」 。低燃費と高出力を実現させた3ステージVTECに進化し、ホンダマルチマチック(HMM)と呼ばれるCVTが採用されました。 3度目の日本カー・オブ・ザ・イヤーの受賞や、スポーツモデル「RS」の登場など話題は多かった代ですが、軽自動車の「トゥデイ」や「ライフ」の好調さに比例して販売は減少傾向になっていました。

7代目 2000年~2005年 原点に立ち返るも時代の波には逆らえず

photo by 本田技研工業株式会社

21世紀のシビックは 「スマートシビック」 から始まります。広い室内空間を確保した居住性能が評価され、4度目の日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞。先代のモデルと同様に、海外ではベストセラーカーとなるほどの人気を得ていました。しかし、国内の販売台数の減少に歯止めはかからず。2001年に発売されたホンダ・フィットの登場により、さらに低迷していきます。

8代目 2005年~2010年 高級化と縮小路線、そして撤退

photo by 本田技研工業株式会社

7代目の5ドアハッチバックが販売不振だったことと、フィットとバッティングすることから国内仕様ではハッチバックが廃止され4ドアセダンのみの販売となり、フェリオのサブネームは廃止、4WDの設定もなくなるなど、一気にラインナップは縮小されました。エンジンは1.8L、2.0Lそしてハイブリッドも登場しました。なお、お馴染みの通称名も与えられませんでした。

そして2010年9月をもってシビックの日本仕様は販売終了となったのです。

6年ぶりに日本に帰ってくるシビック

photo by 本田技研工業株式会社

そんなホンダの屋台骨を担ってきたといっても過言ではないホンダ・シビックですが、1月に千葉・幕張メッセで開催された「東京オートサロン2017」において、6年ぶりとなる新型ホンダ・シビックシリーズがリリースされることが明らかとなりました。

新型シビックシリーズはすでに欧州、米国でデビューしていますが、これまで日本国内では販売されていませんでした。しかし、この出展において日本での発売が再開されることが正式に発表されたのです。

エクステリアは、ワイド&ロープロポーションと新しいホンダのファミリーフェイスやエッジを強調させたサイド周りとなり、セダンとクーペのリア周りは独自のデザインがあたえられています。4ドアクーペのようなアグレッシブなデザインはダイナミックさがプラスされ、サイズはかなり大きくなりましたが、いわゆるCセグメントの範囲内に収まっています。

また、センタータンクレイアウトに変わる「グローバルプラットフォーム」により車体はねじり剛性の向上と軽量化を実現。フロント・ストラット/リア・マルチリンクのサスペンションと低重心パッケージングは、走りのポテンシャルのアップと低重心のドライビングポジション、そしてクラストップレベルの室内空間を両立させています。

日本仕様のセダンとハッチバックのパワートレインは、国内においてジェイドに採用されているVTEC 1.5Lターボエンジン1.5Lターボエンジンが搭載され、フィットやヴェゼルで実績のある1.5L i-VTEC+i-DCD のハイブリッドモデルのラインアップも予想されています。また、先代型から引き続いて2リッター直噴VTECターボ+6速MTとなるタイプRはさらなるパフォーマンスアップが期待されています。

なお、セダン、ハッチバック、タイプRの3種類のモデルが販売されることになり、日本で生産されていないハッチバックと TYPE Rは英国生産モデルが輸入される見込みです。

新型 シビック は今年の夏に販売予定!

photo by 本田技研工業株式会社

気になる発売時期についてですが、2017年夏頃を予定されています。エクステリア以外の性能や燃費、販売価格など、現時点では推測するしかない部分も多いですが、詳細な情報公開は夏向けたこれからとなることでしょう。

新型シビックは“世界統一モデル”として開発が行なわれ、2016年には北米カー・オブ・ザ・イヤーを受賞。海外ではベストセラーとして高い評価を得ています。そんなシビックがこの夏、日本でどのように受け入れられるのか。今後の最新情報に目が離せません。

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