SUVブームの中で選択肢がたくさん!
12月4日にスーパーカーブランドであるランボルギーニから新型SUV、ウルスが発表されたのが象徴するように、近年名門自動車メーカーがこぞってSUV市場に参入しています。
世界的なSUVブームの背景になっているのは都市型生活者にアウトドアスタイルがおしゃれに浸透していることが大きな理由です。近年、アウトドアブランドが普段着として着ることができるアパレル分野に参入していることもその証拠のひとつ。ファッションの世界では、アスレチック(スポーツ競技)とレジャー(余暇)を組み合わせた「アスレジャー」なんていう言葉も生まれています。
そんなブームのなか、初めてのクルマを買うならSUVとなんとなく思っている方も多いはず。でも、何を基準に選べばいいのでしょう!? 燃費?積載量?乗り心地?これだけ各社から車種が出ていると、どのSUVなら満足できるか判断に迷ってしまうのも事実。そこで今回お薦めしたいのが、ハリアーです。
そもそもトヨタ・ハリアーってどんなクルマ?
ハリアーはいまからちょうど20年前の1997年12月にデビューしました。カムリのプラットフォームをベースとして、乗用車ベースのラグジュアリーSUVというジャンルを確立しました。
ライオンの紳士がハンドルを握り、「WILD BUT FORMAL」というキャッチコピーでホテルのエントランスにハリアーで乗り付けるというテレビCMが印象的でした。このコピーはまさにハリアーのキャラクターを象徴しているもので、「○○だけど○○」一見矛盾するものを持ち合わせているってかっこいい!!というメッセージだったのです。
この流れは日本だけでなく、世界でも受け入れられ、その後、BMWがX5を、メルセデスベンツがMクラス(現:GLE)を作ったのはハリアーの影響であると言われています。まさにSUVの先駆者といえる存在なのです。
実はハリアーの歴史は一度途絶えている!?
ハリアーは2017年現在、トヨタの人気車種として新車で購入することが可能です。でも、実はハリアーブランドが存在しない時期があったのです。
もともとハリアーはアメリカやヨーロッパでも同時展開されており、日本以外ではレクサスRXとして流通していました。(※1997年のデビュー当時はレクサスは日本で展開していませんでした)
その後、2005年からレクサスブランドが日本にも導入されたのち、2009年1月にレクサスRXが日本導入されたことを受け、ハリアーは2013年7月をもって、2代目モデルにてその歴史に幕を閉じたのでした。しかし、ハリアーはまだ生きていたのです。
ファンからハリアー存続の熱狂的な声に応える形で同年11月に国内専用ブランドとして再出発することが発表されたのでした。一度閉じたブランドが復活するのはそう簡単ではないこと。それだけハリアーブランドを愛する人が多かったのではないでしょうか?
ハリアーのスペックを紹介!
SUVの歴史を語ることができるハリアー。さて、その性能はどうでしょうか? まずはエクステリアから。フェンダーまで切れ込むシャープな印象のフロント回り、全長4725㎜×全幅1835㎜の大きすぎず、小さすぎない絶妙なサイズ感でありながら全体として非常に伸びやかなシルエットになっています。
次にインテリア。そこにアウトドアの泥臭さはありません。まさに大人の上質な空間。エクステリア同様、流れるようなデザインのインパネにメーター類が機能的に配置されています。クリアブルーに統一された光の演出も高級感UPに一役買っています。
乗り心地に関しては快適そのもの。発進時にややもたつく印象もありますが、街乗り、高速ともに静粛性も抜群でスムースな運転が可能です。キビキビ感を求めるなら少し物足りない感もありますが、よりスポーティーな性能を求める方はターボモデルやG’sモデルという選択肢もあります。
燃費に関してはガソリン車としては及第点。車両価格からすると、2000CCのNAエンジンモデルは非常にコストパフォーマンスがいいのではないかと思います。もちろん、実燃費を気にされる方はハイブリットモデルも選択肢に。
ハリアーをライバルのSUVと徹底比較!
競合になりやすい日産・エクストレイルと比較すると、大きさやエンジンのスペックではほぼ互角。燃費に関してはJC08モードで、ハリアーが12.8~16.0キロ、エクストレイルが15.6~16.4キロ(ガソリンエンジン車で比較)とややエクストレイルが有利なようです。
同じSUVジャンルでも、より大人のラグジュアリー感を追及したハリアーとアウトドアシーンでの頼もしさをイメージしたエクストレイルのキャラクターの違いがどちらを選ぶかの基準になりそうです。
トヨタ・ハリアー | 日産・エクストレイル | |
全長×全幅×全高(mm) | 4,725×1,835×1,690 | 4,690×1,820×1,740 |
重量(kg) | 1,905 | 1,785 |
ホイールベース(mm) | 2,660 | 2,705 |
エンジン最大出力(kw[PS]/rpm) | 111[151] / 6,100 | 108[147]/6,000 |
JC08モード燃費(km/L) | 16.0 | 16.4 |
本体価格 | 294万9480円 | 282万7440円 |
一度はブランドとしての歴史が途絶えながら、不死鳥のごとく蘇ったハリアー。
2017年のyahoo!検索大賞 クルマ部門で大賞をとるなど、まだまだその人気は衰えません。都市型SUVの火付け役として、その歴史を買うという意味も含め、次のクルマ候補のひとつとしていかがでしょうか?