低燃費コンパクトカー比較!ノートe-POWERとフィットハイブリッド、今買うならどっち?

     
   

“37.2 vs 36.4”。これはノートe-POWERとフィットハイブリッドのJC08モード燃費の数値です。今、自動車市場では、車両価格200万円前後のコンパクトカーの燃費競争が激化しています。昨年11月、永らく燃費トップの座に君臨していたトヨタ・アクアを追撃せんと日産よりノートe-powerが発売。燃費でも販売台数でもアクア越えるまさに下克上が起きました。また、燃費性能だけではなく使い勝手と安全性を備えたフィットハイブリッドの存在も忘れてはなりません。

選ぶ側の我々ユーザーにとっては選択肢が増えてありがたい反面、どのクルマがベストなのか悩みも増える一方です。そこでノートe-POWERとフィットハイブリッドの2台を燃費と価格を中心に比較してみました。今、一番熱いコンパクトカー。注目の対決の始まりです。

ノートe-POWERとフィットハイブリッドの違い

photo by 日産自動車株式会社
photo by 本田技研工業株式会社

まずはパワーユニットの違いからご説明しましょう。日産がハイブリッドではなく「EVの新しいカタチ」と標榜するように、他のハイブリッドとは異なりモーターのみで走行します。直列3気筒1.2Lエンジンは発電専用となり、駆動力には関与してません。バッテリー容量が減るとエンジンが始動し充電するということを繰り返すのがe-POWERの特徴で、「シリーズ式ハイブリッド」もしくは「ハイブリッドエレクトニック」と呼ばれます。リーフ同様のモーターパワーなのでトルクも太く、走行性能も期待できます。

日産NOTE e-POWERの市街地走行シーン

フィットハイブリッドのシステムは、エンジンとモーターを状況に応じて駆動力に使う「パラレル式ハイブリッド」 と呼ばれる方式です。世界中の車でハイブリッドと呼ばれるのがこの方式で、トヨタのアクアやプリウスも採用しています。ではフィットハイブリッドのシステムはトヨタのものとまったく同じかというと、実は似て非なるものなのです。

採用しているハイブリッドシステムは、直列4気筒1.5Lのアトキンソンサイクルエンジンと22kwのモーター、そして7速DCTを組み合わせた「SPORT HYBRID i-DCD」 。燃費性能の追求のみに偏った従来型のハイブリッド・システムとは異なり、動力性能と燃費性能を両立させ、ゼロ発進時からEV走行ができるシステムです。

ノートe-POWERとフィットハイブリッドの燃費の差をどう見る?

photo by 日産自動車株式会社

ノートe-POWERの37.2㎞/Lは、カタログを良く見ると、「e-POWER S」というグレードだけの燃費で、他のグレードは34.0㎞/Lにすぎません。実はこの「e-POWER S」、何とエアコンが付いていません!そのために他のグレードより約40㎏軽くなっており、3.2㎞/Lという低燃費と177.2万円という低価格が実現できているのです。これはトヨタ・アクアの燃費を越える為と、価格を安く見せるための苦肉の策と言われています。今時、エアコンやパワーウインドウがないクルマなんて軽トラの安価グレードぐらいです。経費を抑えたい法人向けとも言えますが、パワーウインドウは我慢できても、エアコンが付いてない車ではいくらなんでも乗り心地がよくありません。

実はノートe-POWERより燃費も価格も良いフィットハイブリッド

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結局、実際に乗用車として購入する場合のクラスは195.9万円の「X」で、燃費は34.0㎞/Lからとなり、これがノートe-POWERの本来の実力です。

ではフィットハイブリッドはどうでしょうか?あと800mでノートe-Powerに、600mでアクアに届く燃費36.4㎞/Lは、ライバルとほぼ同列と見ていいでしょう。しかも、フィットハイブリッドで最も安いベースグレードの「HYBRID」は169万円。燃費はメーカーオプションが無ければ36.4㎞/L。もちろん、エアコンもパワーウインドウも装備しています。

おや?何とフィットハイブリッドはノートe-POWERより2.4㎞/Lも燃費が良くて、実質約27万円も安いことになりました。しかもフィットハイブリッドには4WDもあり、ノートe-POWERと異なって降雪地域の方にもハイブリッドの低燃費を感じてもらえるのです。

ノートe-Power S JC08モード燃費率37.2㎞/L 車両価格177万2280円(エアコン無し)
ノートe-Power X JC08モード燃費率34.0㎞/L 車両価格195万9120円
フィットハイブリッド JC08モード燃費率36.4㎞/L 車両価格169万円

コンパクトカーにとって、燃費や価格は重要です。しかし、コンパクトカーを選ぶ理由にはもう一つ、取り回しが楽なサイズながらも広い室内があります。その点、ノートe-POWERとフィットハイブリッドは大変優れていると言えますが、2つにはその広さにも違いがあります。次に両者の室内スペースを見てみましょう。

長さで勝負のノート、センタータンクレイアウトが決め手のフィット

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ノートe-POWERのボディサイズは、全長が4100mm、ホイールベースも2600mmもあり、全長も含めてコンパクトカーではもっとも長いのです。そのロングホイールベースによって、コンパクトクラスでは最も広い室内空間と後席の足元空間を誇っています。

フィットハイブリッドは、全長3955mmでノートe-POWERよりも145mm、ホイールベースは70mmも短いのにもかかわらず、燃料タンクを前席の下に設置したセンタータンクレイアウトなので、室内空間にゆとりがあり、全体的に開放感があります。部座席の頭上や足元も広く、ラゲッジルームについても高さがあり、荷室の床が低く積載容量にも余裕があります。また、ウルトラシートによって後席を収納すれば、荷室はさらに広く使えるなど、ミニバンのようなシートアレンジが可能となっています。

総合評価

年が変わっても相変わらずヒットを続けるノートe-POWERは、すっかりコンパクトカークラスの主役をアクアから奪ってしまったかのような人気ぶりです。しかし、フィットも負けずと食らいついています。また、トヨタのヴィッツやスズキのスイフトにも新たにハイブリッドが加わり、国内のコンパクトカー市場はいつのまにか低燃費のハイブリッド車が多数存在する激戦地帯になってしまいました。それぞれのメーカーを見てみても独自の技術を取り入れて生き残りに必死です。

そんな個性あふれるクルマの中からユーザーは、1台を慎重に選ばなくてはなりません。カタログ数値やCMに惑わされず、本当に経済的なのはどれか、長く付き合えるのはどの車か、という賢い選択が求められています。さて、今回紹介したノートe-POWERとフィットハイブリッド、あなたならどちらを選びますか?

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