かつて農道のポルシェと呼ばれたスバル・サンバー!ハイゼットトラック・バンのOEMになっても赤帽仕様は健在!話題の軽トラカスタムとは?

かつて農道のポルシェと呼ばれたスバル・サンバー!ハイゼットトラック・バンのOEMになっても赤帽仕様は健在!話題の軽トラカスタムとは?
     
   

出典元:https://www.subaru.jp

2012年に、惜しまれながらも自社生産を終了したスバル・サンバー。

半世紀を超えるその歴史を振り返りながら、多くのファンに愛された名車の実態に迫ります。

農道のポルシェと呼ばれたスバル・サンバーの歴史

サンバーというネーミングは、インドやスリランカに主に生息するシカの一種、水鹿(スイロク)の英名に因んでいるということ

水鹿は、湿地帯などの水辺に生息し、泥浴びが大好きだといいます。

悪路に強く、農道などでもシカのように力強くかつ軽快に走る、そんな意味が込められているようです。

ここでは、サンバーの辿ってきた歴史を見てみましょう。

初代サンバー

出典元:https://ja.wikipedia.org/wiki/スバル・サンバー

サンバーは1960年、東京モーターショーで披露され、翌1961年に市販された、スバルの中で一番古い商標を誇る歴史ある車種です。

初代サンバーは、1958年に航空機技術を取り入れ、量産型軽自動車として初の4人乗りを可能にし、当時ずば抜けた走行性能を誇ったスバル・360をベースに開発されました。

日本の自動車史を語る上では欠かせないこの名車の技術を、トラックに応用したのです。

前方視認性の良さ、積載能力を確保するために採用されたキャブオーバーレイアウトを取り入れました。

RR(リアエンジン)方式、横置きトーションバースプリングとトレーリングアームの組み合わせの四輪独立懸架で、当時抜群の乗り心地を実現。

当時の軽トラックでは珍しかったRRと四輪独立懸架というこのサンバーの特徴が、「農道のポルシェ」と呼ばれる所以です。

当然積み荷にも優しく、「サンバーならば豆腐の角が欠けない」という声もあったほどだとか。

デザインも、「てんとう虫」の愛称で親しまれたスバル・360の面影を感じさせるものとなっており、こちらは「クチビルサンバー」呼ばれました。

今見ても、レトロな雰囲気が愛らしいデザインですよね。

ニューサンバー

1966年に登場した2代目、「ニューサンバー」は、燃料タンクの大きさを変更、ガソリン満タンで500㎞の走行が可能に。

オプションではありますが副変速機も選べるようになりました。

1970年、ダミーグリルを装着した「ババーンサンバー」が発売され、1972年にはさらにダミーグリルが大型化した「すとろんぐサンバー」へと進化。

その名の通り、ちょっといかつい感じのデザインとなりました。

剛力サンバー

1973年には、従来の空冷エンジンから水冷エンジンに切り替えたモデル、「剛力サンバー」へと変化。

マイナーチェンジを繰り返し、1976年には排ガス規制の影響から「サンバー5」、翌年に「サンバー550」として550㏄のサンバーが登場しました。

1980年には、サンバーの評価を揺るぎないものにする四輪駆動の「Newサンバー」を発売。

軽トラック、軽キャブバンとして初めての四輪駆動は力強い走りが評価され、他社もサンバーの後に続いて四輪駆動を導入し、その後も四輪駆動が現在では一般化しています。

4代目、サンバートライの登場

1982年、ワンボックスタイプの「サンバートライ」が登場。

ここから4WD車に限ってではありますが、フロントサスペンションが変更され、マクファーソン・ストラット式へと変化。

1987年には商用バンが「サンバーバン」として、「サンバートライ」から分離することになります。

5代目、サンバーディアスとスーパーチャージャーエンジン搭載

1990年に5代目が登場、排気量は600㏄に。

4代目の「サンバートライ」の上位に位置する「サンバーディアス」と名付けられました。

4代目で変更されたフロントの足回りについては、マクファーソン・ストラット式はそのままに、ベンチレーテッド式ディスクブレーキに統一。

実は軽商用車にこのベンチレーテッド式ディスクブレーキを採用したのは、この5代目サンバーが初めてということ。

スーパーチャージャーエンジンを装着したものが登場したことも話題となりました。

最後のフルキャブサンバー

最後の自社生産サンバーとなる6代目は、1999年に登場。

時代に流れとともに、安全性への意識も向上し多くのメーカーがセミキャブに移行する中、「農道のポルシェ」の威信をかけてか、サンバーはフルキャブにこだわり続けました。

2000年には、サンバーEVが登場し、ここでも時代の変化を感じることができます。

マイナーチェンジを繰り返しつつ、2012年2月28日、生産終了となりました。

前年の2011年には、サンバー発売50周年を記念して特別仕様車「WR BLUE LIMITED」をトラックとバン2種で計1000台の限定販売を行い、サンバーの歴史に花を添えました。

ダイハツOEM

出典元:https://www.subaru.jp

2012年以降は、ダイハツのOEM供給となったサンバー。

ダイハツの10代目ハイゼットカーゴ、9代目ハイゼットトラックをベースにしてフルモデルチェンジが行われました。

サンバーの最大の特徴であったRR、フロントベンチレーテッドディスクブレーキ、四輪独立懸架は採用されず、廃止に。サンバーの伝統の仕様はここで途絶えてしまいます。

バンは6代目より積載性が向上、3リンク・リヤサスペンション、ロングホイールを採用し、優れた安定性や乗り心地を実現しました。

トラックにはほぼすべてのグレードに寒冷地仕様を標準装備、寒冷地でも快適に使用できるように。

トラックのみこの後2014年にフルモデルチェンジされます。10代目のハイゼットトラック、2代目ピクシストラックがベースとされました。

バンはそのまま7代目が継続して販売されています。

スバル・サンバーの赤帽仕様とは?

出典元:http://saas2.startialab.com/acti_books/1045178556/5675/_SWF_Window.html

全国赤帽軽自動車運送協同組合連合会、通称赤帽は軽トラックを使用して運送業を行う業者の協同組合です。

赤帽は発足した頃、業務に対応できる耐久性などを兼ね備えた専用車両をメーカーに打診したそうです。

ところがまだ事業規模が小さく、相手にしてくれるところはほとんどなかったそうですが、唯一富士重工が対応してくれたことから、サンバーの赤帽専用車が生まれました。

かつては専用エンジンパーツ・強化ブレーキを組み込んだスペシャルモデル

ハードな運送業の使用に耐える為、耐久性の向上が主な目的だった赤帽専用車は、専用デザインはもちろん、エンジンパーツ、ブレーキに至るまで特別な仕様となっていました。

エンジンは赤帽専用4気筒EGIエンジン

高負荷長距離という赤帽の業務に耐えられるよう、エンジンのパーツの多くは赤帽専用に変更されています。

ヘッドカバーも赤くするなど、ルックスも赤帽仕様。

当然ブレーキも強化したものに。

パッド摩耗警報付 フロントベンチレーテッドディスクブレーキが採用されています。

その他にも格納式ハンドブレーキバーや高照度ルームランプなど、随所にこだわりが見られる設計となっています。

現行モデルの赤帽サンバー

ダイハツのOEM供給に切り替わっても、サンバーと赤帽の絆は切れなかったようです。

現行のサンバーは、トラックはハイルーフとオープンバンの2種類、バンはパネルバンと4人乗りが用意されています。

エンジンは3気筒660㏄エンジン、靴手と同じようにパーツを変更し耐久には配慮しているよう。

スバル自社生産時ほどの変更点はないようですが、専用のインナーフックやリアのリーフスプリングの強化など、やはりハードな使用を想定したものとなっているようです

農道のフェラーリと呼ばれたホンダ・アクティなどライバルの軽トラック・バン

スバル・サンバーが「農道のポルシェ」と呼ばれたのに対し、ホンダのアクティは「農道のフェラーリ」との愛称を持っていました。

そんなライバル関係にある軽トラック・バンについても見てみましょう。

ホンダ・アクティ

出典元:http://www.honda.co.jp

1977年に登場したホンダ・アクティ。ますトラックが登場し、2年後の1979年にバンが登場しました。

MRレイアウト、ド・ディオンアクスル式リアサスペンションを採用、高回転特製のエンジンなど、サンバーとはかけ離れた、ホンダの特徴がよく出た設計となっています。

そこから、サンバーがポルシェに例えられていたことに対して、「農道のフェラーリ」といわれるようになったようです。

現行のモデルは4代目、現在も生産が続いています。

スズキ・キャリイ

出典元:http://www.suzuki.co.jp

1961年に販売開始されたスズキ・キャリイも古い歴史を誇ります。

この頃スズキは、すでにオートバイ市場において成功を収めていました。

そこで培われた技術を活かして取り入れたと思われる、ツインキャブ仕様が話題に。

80年代、90年代においては多くのフルモデルチェンジを重ね、現行のモデルは12代目となります。

この12代目は2013年度のグッドデザイン賞を受賞しました。

キャリイは、1971年から2009年までの間連続で国内のトラック社名別販売1位という、驚くべき高い人気を誇ったモデルでもあります。

ダイハツ・ハイゼット

出典元:https://www.daihatsu.co.jp

現行のスバル・サンバーのベースとなっているモデルです。

登場は1960年、ダイハツ車の中でも最も古い商標を持つシリーズ。

電気自動車を早期に導入したことでも知られ、1968年にはすでに販売されていたようです。

多くのバリエーションが存在し、電気自動車をはじめとしてハイブリッドやダンプ、消防車や何と霊柩車なども存在していたとのこと。

すでに生産が終わったものも合わせてですが、その数は80以上にも上るそうですよ。

2014年、実に15年振りにフルモデルチェンジが行われました。

スバルのみならずトヨタへもOEM供給しており、トヨタ・ピクシストラック、ピクシスバンもこのモデルをベースとしています。

三菱・ミニキャブ

出典元:http://www.mitsubishi-motors.co.jp

まずはトラックのみで1966年に登場、2年後にバンも発売されました。

軽商用車では先に販売されていたボンネット型の三菱・360が存在していましたが、時代の流れに乗る形でキャブオーバー型のミニキャブを開発した、という経緯があったようです。

農業女子御用達、として人気がある車種ですが、2014年、6代目にてガソリン車は自社製造を終了。

その後はスズキ・エブリイ/キャリイのOEMとなっています。

電気自動車のミニキャブMiEVが2011年に登場しましたが、こちらは2014年以降も自社製造されています。

軽トラ・バンで最近話題のカスタムとは?

出典元:https://www.photo-ac.com

業務用然としていて一見面白みがないように思えてしまうのが、軽トラ・バンの外見。

内装も非常に簡素なタイプが多いですが、だからこそカスタムの甲斐があるというもの。

巷で話題の軽トラ・バンのカスタムをご紹介しましょう。

軽トラをリフトアップ(アゲトラ)

最近は軽トラをリフトアップするのが来ている様子。

視界が上がるので視認性も良くなり、車高を下げるいわゆるシャコタンとは違い、段差などを気にすることなく普通に運転できます。

またリフトアップしてオフロード用のタイヤを履かせれば、意外と悪路も走れてしまうんです。見た目もワイルドに。

リフトアップは、リフトアップスプリングを使用する方法、サスペンションなどにスペーサーを入れる方法があります。

軽トラの旧車スタイル

現行の軽商用車はいかにも業務用、といったものが多くなってしまいましたが、サンバーやハイゼットなど、1960年代に登場した当時は個性豊かなスタイルをしているものも多くありました。

そんな古き良きスタイルを自分なりにしてしまう、旧車スタイルがひそかに人気を呼んでいるようです。

現在では手に入らなくなった憧れの旧車、それに現代的なエッセンスを取り入れたおしゃれ軽トラとして注目を集めそうですね。

軽バンをレトロカスタム

もちろん軽バンのレトロカスタムも大人気。

ワーゲンバスやシトロエンバスなどの旧車風にするのがおしゃれと女性からも注目を集めているようです。

軽商用車は価格が比較的お手軽なことから、カスタムに費用をかけられる、という面もあります。

レトロカスタムを専門にしている業者もありますよ。

軽キャンピングカー

軽で憧れのキャンピングカーを!

軽でないキャンピングカーは、かなりの値段がしてなかなか手を出しづらいイメージがあります。

その点軽キャンピングカーは元の軽の値段が安いので、通常のキャンピングカーよりかなり値段を抑えることができます。

低価格のものなら80万円くらいから、上は300万円くらいまでがよく見られます。

最も、こだわればこだわるほど値段はもっと上がっていきます。

ただ、通常のキャンピングカーが300万円以下ではほとんど手に入らないことを考えれば、お手軽といえるのではないでしょうか。

軽ならではのコンパクトさ、維持費の安さも魅力です。

連記事:気軽に乗れて注目を集めている軽キャンパー!エブリィやハイゼットなど新車の軽キャンピングカーをピックアップ!

終わりに

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「農道のポルシェ」の異名を持つ歴史あるスバル・サンバー。

赤帽を支え、多くの人に愛されてきたサンバーはダイハツOEMとなり姿を変えながら、その名を現在も引き継いでいます。

時代は移り変わっていきますが、サンバーの辿った歴史のように、軽トラ・軽バンそものも新しい時代を迎える時期に来ているのかもしれません。

その一端が、近年話題のカスタムなのではないでしょうか。

海外においても、日本の軽トラなどのカスタムは大変人気があるようです。

そういった今までとは違う面での新しい軽トラ・軽バンの楽しみ方もこれからどんな風にもっと広がっていくのか、注目したいところですね。

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