お値段以外は現実的?電気自動車専門メーカー「テスラモーターズ」とは

お値段以外は現実的?電気自動車専門メーカー「テスラモーターズ」とは
     
   
photo by テスラモーターズジャパン公式サイト

電気自動車の専門メーカー「テスラモーターズ」。初めこそ夢物語と思われていた電気自動車も、少なからず世間に浸透してきたように思います。

とはいえ、お値段がスーパーカークラスという異色のエコカーメーカーがテスラモーターズです。ハイブリッドカー全盛の昨今、現状から電気自動車に少しずつシフトしていくのは必然の流れです。

今回はテスラのラインナップなどを解説しつつ、電気自動車のメリットやデメリットを解説していきたいと思います。

電気自動車の未来を提示してくれるメーカー「テスラモーターズ」

発明王「トーマス・エジソン」の最大のライバル、電気の父こと「ニコラ・テスラ」が名前の由来となっている「テスラモーターズ」ですが、その名前の通り、電気自動車のみを扱う異色のメーカーとなっています。

設立は2003年と、まだまだ歴史は浅いですが、その技術力とブランド力は市場に高く評価されています。

それもそのはず、テスラモーターズはアメリカの名だたる起業家や投資家の援助を受けつつ、潤沢な予算で先進的な電気自動車を開発しており、その投資規模は200億円とも言われています。

日本企業ともなじみが深く、パナソニックとの自動車用リチウムイオンバッテリーの共同開発や、トヨタ自動車と共同での次世代電気自動車の車両開発が行われています。

流麗かつ未来的なエクステリアは秀逸!スペックだって抜群

2008年に先鋭デビューを飾ったのは皆さんもご存知「テスラ・ロードスター」です。スポーツカーメーカーとして名高いロータスの協力のもと、「エリーゼ」をベースとして開発されました。

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photo by fogcat5 (CC BY-SA 2.0)

軽量化のためにカーボン化されたボディと、高性能リチウムイオンバッテリーと大出力モーターによるパワートレインは馬力にして292PS、トルクにして370N・mを叩き出しています。

特筆すべきは内燃機関とは比較にならないほどの低速トルクで、0-100km/h加速をわずか4秒でこなします。これはスーパーカーと比肩するレベルの加速性能です。

航続距離は満充電で370kmと、グランツーリングこそこなせないものの、実用性も十分です。

当時としては超ハイパフォーマンス電気自動車だった「テスラ・ロードスター」は、話題性も相まって、非常に人気のあるモデルとなりました。

ハリウッドスターがこぞって買い求めたことも、人気の要因の一つかもしれません。ジョージ・クルーニー、ブラッド・ピット、アーノルド・シュワルツェネッガーなどを始め、最近、念願のアカデミー賞を受賞したレオナルド・ディカプリオが「トヨタ・プリウス」から「テスラ・ロードスター」に代替えしたのは、あまりに有名な出来事でした。

もっとも、これはハリウッドスターの間で、環境性能に配慮しエコカーを選択することがトレンドとなっているという事情もあります。ですから諸手を挙げて評価をすることはできませんが、それでもセレブの間で高評価を受けているという事実は、ネガティブなファクターではないはずです。

テスラモーターズとは、最高級エコカー?最大のネックはコスト

セレブの間では、非常に人気のある最上級エコカーとなっているテスラですが、その価格も最上級なのは言うまでもありません。現在、日本で正規販売されている「Model S」のハイパフォーマンスモデルは1500万円ほどと、超高級車クラスの価格設定です。

いくらガソリンが不要で、先進的な装備や、未来的かつ豪華絢爛なエクステリア・インテリアを誇るとはいえ、庶民にとってこの価格設定はなかなか手が届かないのでは。

電気スタンドなどのインフラ整備もあまり進んでいない日本では、電気自動車のメリットを享受するシーンよりも、不便を強いられるシーンのほうが多くなってしまうかもしれませんね。

Tesla Model S electric cars at a supercharger charging station

一度、完全にバッテリーが切れてしまえば、ハイブリッドカーと違って自力で発電することはできませんので、大旅行をするにはあまりにスリリングな自動車となってしまいます。

その上、自宅で急速充電を行うためには特殊な電気工事を行わねばなりません。導入に関するハードルは思ったよりも多く、また高いものになってしまいます。

その他の問題としては、小型化が進んだとはいえ重鈍なバッテリーを搭載しなければならない点が挙げられます。この辺りは電気自動車の宿命とも言えるでしょう。

バッテリーもさぞかし特殊なものが積まれているのかと思いきや、ノートパソコンやスマートフォンに多く用いられるリチウムイオンバッテリーを膨大な数量で連結したものとなっています。

燃費は車体重量に大きく左右されますから、バッテリーの重量増分、相殺するためにボディの軽量化がされているという面もあります。この辺りの問題を改善しない限りは、電気自動車を低価格で販売することはなかなか叶わないでしょう。

 Tesla Motors dealership

……と、少々意地の悪いことを言いましたが、今後主流になってくるであろう電気自動車の中で、テスラモーターズは非常に存在力のあるブランドメーカーとなっています。

日本企業との繋がりも強くなっていて、最近ではトヨタの社長である豊田章男氏がテスラモーターズCEOのイーロン・マスク氏から最新の「ロードスター2.5」を進呈されたそう。

ただ残念なことに、2016年7月にはアメリカでModel Sのドライバーが事故に遭ってしまい、自動運転機能に対して議論が高まっています。

詳しい原因などはまだ調査中のようですが、テスラモーターズがこの事故をどう受け止めるのかについても目が離せませんね。

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