【パワーユニット】先進のNSX、古典的なR8
ターボやハイブリッドという、最新の技術をふんだんに織り込んだNSXのパワーユニット。高出力かつ少量生産のエンジンらしく、非常に手間のかかる工法を惜しげもなく採用しているのが特徴です。たとえばシリンダーは砂型鋳造によるクローズドデッキでオイルパンはドライサンプ型、しかもボア壁面はプラズマアーク溶射を施すこだわりぶり。圧倒的なパワーと優れた燃費を両立した、今の時代にふさわしいものとなっています。
では一方のR8の方はというと、環境性能的には決して有利とはいえない自然吸気V型10気筒エンジンを搭載。これは基本構造を同社のV型8気筒エンジンと共用する珍しいつくりのもので、610PSという高出力を実現しています。自然吸気エンジンならではのナチュラルな吹け上がりは、ターボ全盛の現代ではとても貴重な存在といえるでしょう。
今後環境規制などの問題から大排気量の自然吸気エンジンは淘汰されると考えると、R8のパワーユニットはぜひ今こそ味わっておくべきです。