新型リーフはどういうクルマなの?
牧野:先日、日産から新しくリーフというクルマが出ました。元々リーフは「世界で一番売れている電気自動車」ということで、以前から話題でしたが、今回フルモデルチェンジされたんです。この新型リーフについて国沢さんにお伺いします。
国沢:車って、だいたい短くて4年、長くて10年くらいで新型に切り替わるんですね。4年から10年分くらいの技術の進歩があるので、フルモデルチェンジされた時はだいたい内容がウンとよくなってるんです。さて、リーフが初めて世に登場したのが2010年の終わりです。だから今からちょうど6、7年前ですね。そこから今回フルモデルチェンジがされました。もちろん、日産はいっぱい宣伝をやっていますが、一番の問題は買っていいのか悪いのかってことですよね。
緒方:そうですよね。
国沢:世の中を見ると、ヨーロッパはどんどん電気自動車になっていってるし、なんだか電気自動車にならないと時代遅れになるような感じもしますよね。
緒方:あー、確かにそうですね。なんだか日本はついていけてないんじゃないかって思っちゃいます。
国沢:でも、日産は世界で一番早く電気自動車を出したんですよ。だから日本が遅れているというわけではないんです。環境の問題なんです。
緒方:環境ですか?
国沢:そう。日産のディーラーに行くと充電器はいっぱいあるんです。でも、例えばマンションとか月極駐車場とかって充電器がないじゃないですか。
牧野:少ないですね。
国沢:だからそういうところに住んでいる人たちは乗って帰っても電気を入れられないから買えない。それから、今までは電気代は普通のガソリン車より安くても車本体の値段がちょっと高いのでなかなか買えなかったんです。
緒方:なるほど。
国沢:実は私も最初のリーフ買ったんです。
牧野:そうなんですか?
国沢:しかも2台買ったんです。
牧野:2台!?
国沢:車ってさっき言ったように4年から10年でまったく新型になるんだけど、途中でマイナーチェンジと言って、1回か2回変わるんですよ。それでちょっと良くなった、そのクルマも買ったんです。だから2台。私は電気自動車が基本的に好きなんです。でも、次のは買う予定がないんです。
牧野:えっ、それはなぜでしょうか?
国沢:さて、なぜなのか! パソコンやスマホもそうだけど、電池ってだんだん使っていくうちに弱くなっていくじゃないですか。
緒方:そうですね。使っているとだんたん使いにくくなってきます。
国沢:実は電気自動車もまったく一緒なんです。
緒方:えっ、そうなんですね!
国沢:そう! 乗ってるうちにだんだん電気の容量が少なくなってきて、走行距離が減ってきちゃうんです。僕が買った初代リーフは新車の時は充電がフルの状態で160km走れたんです。東京都内を走行すると平均速度が1時間で20km/hなので、160kmって言うとおおよそ8時間。1日東京都内を走っても大丈夫ですよね。ところが、今は100kmくらいになっちゃったんです。
牧野:少なくなりましたね。
国沢:100kmなので、都内を走行しても5時間しか走れない。8時間走れるのと5時間走れるのとでは全然違うでしょ? しかも、冬場だと暖房をつけるので、もっと走行距離が減って60kmくらいしか走れないんです。
牧野:それだとちょっと東北くらいに行けるかどうかですよね。
国沢:いやいや、時速20kmで3時間ですよ。高速道路の場合は新車時で120kmくらい。今は70kmくらいでダメになっちゃうので、1時間も走れません。高速道路走ったら新車の時でも1時間ぐらいしか走れません。
牧野:なるほど、そうなんですね。
緒方:遠出はちょっと難しいですね。
国沢:本当だったら電池を交換すればいいんだけど、電池を交換するプログラムがすごく高いのと、日産もできますよって言ってないんです。
緒方:「言ってない」というのはどういうことですか?
国沢:もちろん頼めばやってくれるんですけど、電池の交換に60万円くらいかかるんです。だから、ディーラーに行くと「電池買うより新車買った方がいいですよ、値引きもしますよ」って言われちゃいます。お客さんも60万円かけて古い車乗るより、やっぱり新車買いたくなっちゃいますよね。
緒方:確かにそうですね。
国沢:だから使い道がなくなるというか、二束三文になっちゃう。電池の問題が解決されればいいんだけど、新型もまだまだ日産が電池のプログラムやりますよって言ってないので、今回の新型を買う予定がないんです。
牧野:まだまだ課題が多いということですね
国沢:今、このクルマを買っても果たして6年後にニコニコしてられるかなというと自信がない。日産がちゃんとやりますよって言ってくれれば今すぐでも買いたいんですけどね。