2016年8月24日に日産・セレナは満を持してフルモデルチェンジをいたしました。新たな安全装備やプロパイロットという自動運転技術を搭載し、世間を賑わせました。今でもなお、5ナンバーサイズミニバンのカテゴリーでは頭一つ抜けた印象で、好調な売れ行きを維持しています。
そして、そんなセレナに近々e-powerが搭載されるという噂が立ち上っています。e-powerはノートに搭載された日産の独自のパワートレインですが、その第二弾がセレナということのようで、今年2017年の東京モーターショーにおいて登場が予想されています。
今回は、現行モデルのセレナの機能や装備についておさらいし、この度搭載が予想されているe-powerについても詳しく見ていってみましょう。
まず初めに日産・新型セレナのおさらい
セレナは5ナンバーサイズのミニバンとして、トヨタ・ノア・ボクシーやホンダ・ステップワゴンなどとともに、人気を分かつ車種でした。ミニ・バンというように、あくまでバンが元になっているということもあり、大きいサイズの車の運転が不安な主婦などの層にはセレナのような5ナンバーサイズの大きすぎないミニバンが人気を得ていました。
そして2016年、日産が多数のラインナップの中でも6年ぶりのフルモデルチェンジの車種に選んだのが、このセレナでした。エクステリア、インテリアともに今風のすっきりしたデザインに進化。機能面においても2列目のシートベルトをシート内臓式にすることで3列目の乗員が自由に乗り降りできるようにするなど、充実が図られました。
そのほかにも、2通りに開閉できるデュアルバックドアや車体の下に足を差し入れることで自動開閉することができるハンズフリーオートスライドドアなど、実際に生活の中で使用することを主眼に置いた便利な装備が新たに採用されたことが特徴でした。
また、世間で最も話題になったのが、安全装置とプロパイロットと呼ばれる自動運転機能でした。車庫入れや縦列駐車を自動で行ってくれるインテリジェントパーキングアシストや車両後方に設けられたカメラをインナーミラーに映し出すインテリジェントルームミラー。またカメラをつなぎ合わせて上空から見下ろしているような映像で車両の周りを把握できるインテリジェントアラウンドビューモニターや自動ブレーキ、車線逸脱防止機能など、運転が不安な女性や高齢の方にも安心な機能が多く搭載されています。
また気になる自動運転機能、プロパイロットの詳細は後半に章を設けましたので、早速詳しく見ていきましょう。
先進装備、プロパイロット機能
プロパイロットとは、日産が開発した自動運転技術です。プロパイロットはセレナのフルモデルチェンジに伴い、他の国産自動車メーカーに先駆けて初搭載されました。
プロパイロットのシステムには大別して二つの機能があります。一つはインテリジェントクルーズコントロール。そしてもう一つはハンドル支援機能です。
インテリジェントクルーズコントロールは高速道路などの自動車専用道路において、セットしたスピードでアクセルから足を離して走行してくれる従来のクルーズコントロール機能に加えて、先行車を検知した場合に車間を自動で保持して走行してくれるというものです。さらに、先行車が停車した場合には自車も車間を取って停車し先行車が発進した場合にはアクセルまたはステアリングスイッチの操作で再度発進してくれるという機能が装備されています。
この機能を用いれば、高速道路上では同一車線内においては、アクセルの操作をせずに、一定速の走行から渋滞までをカバーすることが可能になります。またもう一つのハンドル支援機能では、車線の中央付近を走行するようにステアリングを操作してくれるという機能になります。あくまで運転者は何もしなくていいというわけではありませんが、ロングドライブがかなり楽になる革新的な機能でありました。
日本の自動車業界を牽引なるか!?~新技術・e-power~
また、今回の東京モーターショーではノートで初めて搭載された日産独自のパワートレーンe-powerが搭載されたモデルが登場すると噂されています。こちらの項ではe-powerというパワートレーンがいったい通常のハイブリッド車やEV車とどのように異なるのかを解説していきましょう。
まず従来のハイブリッドシステムについてご説明いたしましょう。通常のハイブリッドシステムは、ガソリンを燃焼させることによってピストンを回転させ、エネルギーをタイヤに伝える仕組みになっているガソリンエンジンに加え、バッテリーとモーターを追加することによって、エンジンの余剰エネルギーや車が止まろうとする際の力を利用してモーター―を回してバッテリーに充電し、さらにバッテリーに蓄電された力をモータを通じてタイヤに伝えることで、ガソリンエンジンの排気量を小さくすることができ、かつ燃費を良くすることができるというシステムになっています。またEV車はずべてのエネルギーを外部から充電された電気によって賄うシステムとなっています。
対してe-powerはガソリンを燃料にして発電をし、そのエネルギーを用いて走行するシステムとなっています。このシステムの利点は、誤解を恐れず簡単に言ってしまえばガソリンエンジンに対して、電気で走行する分だけエネルギーを余すところなく利用することができるので、低燃費を実現できる点にあります。またモーターからタイヤへ直接トルクが伝わる分、ガソリン車に比べて加速の性能やトルクを出すことができ、電気で走るので静粛性が向上するというメリットもあります。
新型セレナの今後は東京モーターショーに期待!
以上のようにセレナはこれまで先進機能を多数搭載した、国産車が目指す未来の予感を示した車としてフルモデルチェンジをし、好評を博しました。しかし今回の東京モーターショーではさらにそれを超える進化が期待されています。国産車の期待の星、セレナの今後の動向に期待大です。