出典元:http://www.mitsuoka-motor.com/press_dl/
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永井豪の画業50周年と光岡の創業50周年のコラボレーション
「デビルマン」を始め、「キューティーハニー」や「マジンガーZ」などで知られる日本を代表する漫画家、永井豪は1967年に漫画家デビュー、昨年2017年には画業50周年を迎えました。
また個性的で独特のデザインが特徴の光岡自動車は1968年創業、今年2018年で創業50周年にあたります。
これを機にコラボレーションが実現。原作漫画ファンはもちろんアニメファン、そして車ファンにも夢を与えてくれる企画がスタートしました。
記念アニメーション作品「DEVILMAN crybaby」の中でメインキャスト飛鳥了が乗る車
少年漫画の不朽の名作として海外にも多くのファンを持つ「デビルマン」が永井豪50周年記念としてWebアニメーション化されることに。
今回はアニメとしては初めて物語の最後までを描き切った作品となりなりました。
それがこの「DEVILMAN crybaby」です。
この作品の中で第二の主人公ともいえる飛鳥了の操るスーパーカー、このモチーフこそが今では生産終了し幻ともなった光岡のオロチだったのです。
カラーリングデザインはアートディレクションを手掛けた阿閉高尚とオロチのデザイナー青木孝憲が協業
このコラボレーションの重要な要素でもあるカラーリングデザインにはアニメ「DEVILMAN crybaby」でのアートディレクションを担当した阿閉高尚も参加。
オロチのことを知り尽くしているオロチのデザイナー青木孝憲とタッグを組むことによってオロチの美しさ、そしてアニメの世界観を両方とも最大限に引き出すものとなりました。
オロチが登場するDEVILMAN crybabyとは?
永井豪画業50周年を記念し、湯浅政明監督らが映像化したアニメーション作品
2018年に入ってから、デビルマンファンが泣いて喜ぶ事件が起こります。
デビルマンを生み出した永井豪の画業50周年を記念して新たにアニメ化され、WebアニメとしてNetflixで全世界に同時ストリーミング配信が行われました。
デビルマンの連載開始は1972年、今から46年前になりますが、その当時のファンからしたらかなり感慨深いものがあったのではないでしょうか。
70年代といえばネットなどはもちろん存在せず、携帯電話どころかパソコンも一般家庭には存在していませんでした。
そういう時代に生まれた作品がネット上で全世界同時に配信されるというのは、時代の流れを感じさせるとともに時を経ても世界中で愛され続けるデビルマンの凄さに感じ入ったことでしょう。
今回のアニメ化にあたっては「マインド・ゲーム」や「夜は短し歩けよ乙女」などの作品で知られる湯浅政明が監督を務めました。
地上波ではなくネット配信ということもあってか表現の幅が広がり、より原作の世界に即したものになっています。
他にも光岡・リューギをモチーフにした車両も登場
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実はこの作品には、飛鳥了の乗るオロチの他にも光岡の車が登場しているんですよ。
それは、リューギ。光岡では初となるハイブリッドもラインナップされているクラシカルなスタイルのモデルです。
格調高く、貫禄さえ感じさせるリューギがモチーフとなっているのはあのデーモン・カイムが乗り込む車。是非チェックしてみてください。
光岡・オロチとはどんな車?オロチの歴史を振り返る
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2001年の東京モーターショーでコンセプトカー発表
オロチの誕生は今から17年前、2001年の東京モーターショーで初披露されました。
光岡にとってはこれが東京モーターショーへの初参加、その記念にとコンセプトカーとしてオロチを発表しました。
オロチのモチーフになっているのはその名から想像できるとも思いますが古事記や日本書紀に登場するヤマタノオロチ。
頭と尾がそれぞれ8個ある巨大な大蛇であるヤマタノオロチは、スサノオノミコトに退治されます。
その時ヤマタノオロチの体内から出てきたのが三種の神器のうちの一つ、天叢雲剣(草薙の剣)だと伝わっています。
ヤマタノオロチに着想を得たそのエクステリアデザインは衝撃的といっていいほどの個性を持ち、展示された東京モーターショーでは光岡のコーナーに人だかりができるほどだったといいます。
トヨタのV6エンジンをはじめ国産メーカーの協力で生まれた国産スーパーカー
市販モデルには複数の国産メーカーの部品が使用され、それぞれのメーカーのいいとこどりをしたようなスーパーカーが誕生しました。
エンジンにはもともとはホンダのV6エンジンを想定していたようですが、結果としては当時のレクサス・RX330用に開発された3.3LV6気筒エンジンを採用。
ホンダからはブレーキシステムを、そしてステアリングホイールはスズキからの提供を受けています。
さらには内装にはマツダの部品が使用されるなど、有力国産メーカーがこぞって協力する形となりました。
コンセプトは”ファッションスーパーカー”。本格的なスポーツカーの扱いにくさを抑えながらもその雰囲気を楽しめることに重点が置かれ開発されました。
2006年に完全受注生産で販売開始
東京モーターショーにおいて、ショーカーにもかかわらず購入希望の声が寄せられたため商品化されることに。
初登場から実に5年もの時を経た2006年に400台限定の完全受注生産としての販売開始となりました。
ほぼハンドメイドでの生産だったため、供給量には限界があったようです。
コンセプトである”ファッションスーパーカー”の名にふさわしく、ボディカラーはなんと300色から選択可能だった上、既存色にはない特別カラーにも対応していたそうです。
ほぼオーダーメイドカラーといっても差し支えないのではないでしょうか。
オーナーは個性的なエクステリアに個性的なカラーを組み合わせ、どこにもない自分だけの芸術作品のような車を持つ喜びに満たされたことでしょう。
カブト、リッケンバッカー、ゴールドプレミアムなどの特別仕様車
その後も限定品やコラボモデルが販売されました。
2008年にはウェットカーボンのエアロパーツを纏い、戦国武将の甲冑や鎧兜をイメージした強面のオロチ「オロチ・カブト」を限定5台で販売。
翌年2010年には、ビートルズのメンバーが愛用していたことでも有名なアメリカの老舗ギターメーカー、リッケンバッカーとのコラボレーションが実現。
リッケンバーカーのギターの特徴であるトラスロッドカバーが印象的なヘッドのデザインを組み込んだ専用エンブレムを装着、インテリアにはギター弦とテイルピース柄がシートに刺繍されました。
パネル類は木目調になり、ギターのイメージを表現しています。
この「オロチ・リッケンバッカー」も「オロチ・カブト」と同じく5台限定での販売となりました。
さらに2010年には特別仕様車として「オロチ・ゴールドプレミアム」を20台限定で販売。
輝くゴールドパールの限定ボディカラー、エンブレムも専用のゴールドプレミアムエンブレムを装着。
専用のリアウイングやフロントスポイラーも用意され、通常モデルより装飾性が高められたモデルとなりました。
2014年、ファイナルオロチをもって生産終了
そしてついに2014年、オロチの歴史は終わりを迎えることに。生産終了のアナウンスが2014年4月に公表されました。
各部品の供給面での問題や、年々変わりゆく保安基準への対応が難しくなってきたことからの決断と見られます。
その終焉を飾ったのは5台限定の「ファイナル・オロチ」。
2色の限定ボディカラーに専用のインテリアやエンブレム、フロントスポイラー、リアウィング、そして専用のタイヤとアルミホイールが特別装備されました。
デビルマン・オロチはどのようにして製作される?価格は?
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極上の中古車をベースに製作
すでにオロチは2014年に生産・販売を終了しているため、今回の「デビルマン・オロチ」は光岡が所有する最高の状態の極上中古車を使用して製作されるとのこと。
初度登録年月は平成19年4月と、今から11年前のものになります。走行距離は3,500㎞。光岡が所有していたのならば、メンテナンスの行き届いたいい状態を保っていることでしょう。
オロチの中古車市場動向
オロチは登場時から完全受注生産で販売してきたこともありもともとの製作台数がそれほど多くなく、またオーナーは熱烈なファンであることが多いため中古市場にはあまり出回りません。
ですので中古での購入を考えている場合は見つけた時が買い時といえるでしょう。
わずかに流通している中古オロチはオーナーが大切にしてきたとみられるものが多く、非常に状態がいいものがほとんどのようです。
希少性と状態の良さから価格は高めに推移しており、900万円~1千万円程度のものが多くなっています。
失われた車オロチ。その芸術性の高さは唯一無二のものでした。
今回の限定「デビルマン・オロチ」で改めて脚光を浴び、その魅力を世間に知らしめることになりそうです。